昨日、幸田文の短編「些細なつらぬき」を紹介しました。
そして、私がやっていた教室での「些細なつらぬき」とは何だったろうと考えて、次の二つをあげました。
「毎朝、教室に入る時、テンション高く「はい、おはようございます。」と言ってきたこと。」
「子供たちが帰った後、机の整列を確認し、乱れていれば整えたこと。」
幸田文は、「些細なつらぬき」でこのように言っています。
目まぐるしく進む世の中です?
目を?心を奪われることばかりです?
白いふきんなどはあまりに些細ですが?
目をまわした時には?
ふっとこの白をたよりに?方向をとりもどします?
私は、朝の「はい、おはようございます。」で、何の方向をつかもうとしていたのでしょうか。
それは、「今日もまた、明るく前向きに子供たちに接していこう」という態度です。
時に、体調がすぐれないことがあります。
時に、寝不足なことがあります。
時に、荒れたクラスだったり、クレームがあったりで、心がくさくさしていることがあります。
でも、朝、教室への階段を上りながら、いつもの「明るく前向きに子供たちに接していこう」と思ったのです。
私は、「子供たちが帰った後、机の整列を確認し、乱れていれば整えたこと。」で、何の方向をつかもうとしていたのでしょうか。
それは、方向というより、子供たちの今日一日の心の動きの把握です。
平静だったのか、ウキウキしていたのか、乱れていたのか、落ち込んでいたのか、そんな感情・心の動きを、机の並び方でつかもうとしていました。
そして、そのつかんだ?感情・心の動きをもとに、今日一日を振り返り、翌日の子供への接し方を微調整したのでした。
そうすることで、よりよいクラスの方向へ舵をとろうとしていたのでした。
皆さんは、何を「些細なつらぬき」としていますか。