「忍耐と努力が運をつかむ」

内館牧子氏の「夢を叶える夢を見た」(幻冬舎文庫)に、OLから転職し、雑貨の店を出した池亀千鶴さんのエピソードが書かれまいます。

千鶴さんは、ずっと自分の生きがいとはほど遠い職場にいて、退職して店を出したいという夢と安定した職を失う恐れとに、揺れ動いて年を重ねていきます。

そして、20年。長い揺れ動きと逡巡の時が流れました。
ようやく意を決して、退職することにすると、「運」が次々と味方していくのです。

退職金の上乗せ制度がちょうど始まった事。
思う以上に、駅チカで、低料金の店舗が借りられたこと。

これに対して、内館牧子氏は、こんなコメントをしています。

「千鶴の場合も、20年のにわたる10年間にわたるOL 生活の中で揺れ、いつ実現するかわからんない店のために給料を費やして買い付けし、やっぱり人では店は開けないと悩み、そんな日々は「忍耐」であり「努力」であったろう。」

「「忍耐」も「努力」も、続けていると体内に蓄積される。そして、その量が多くなるほど圧縮されて蓄えられる。運が目の前を通った時、それが一気に爆発すると考えれば、「忍耐と努力が運をつかむ」という言葉は、決して道徳的なきれいごとではない。圧縮されればされるほど、爆発力は大きい。」

今、ずっと努力しているのに、チャンスに恵まれないと密かに嘆いている人がいると思います。
私も、内館氏の言うように、「忍耐」も「努力」も、続けていると体内に蓄積されて、運が目の前を通った時に爆発することに賛成です。

ですから、意味があると確信している努力を、ぜひ続けてほしいです。
運はきっと目の前を通ります。