昨日は、「努力と運」のエピソードを紹介しましたが、子供向けではありませんでしたね。
子供向けで、「努力の大切さ」を語るエピソードと言えば、次の「努力のつぼ」でしょう。定番だと思います。
朝日作文コンクールで選ばれた小学校1年生の作文です。
「朝日作文コンクール 子どもを変えた親の一言 作文25選」 明治図書
「努力のつぼ」 角野 愛 (小学校1年)
「お母さん、努力の話、またして。」 「ウンいいよ。今度はなあに。」
「逆上がり」「あらあら、まだいっぱいになっていなかったのね。ずいぶん大きいねえ。」
と、言いながら、お母さんはいすをひいて、私の前にすわりました。そして、もう何回もしてくれた、努力のつぼの話をまたゆっくりとはじめました。それはこんな話です。
人が何か始めようとか、今までできなかったことをやろうと思ったとき、神様から努力のつぼをもらいます。そのつぼは、いろんな大きさがあって、人によって、ときには大きいのやら小さいのやらいろいろあります。そしてそのつぼは、その人の目には見えないのです。でも、その人がつぼの中にいっしょうけんめい「努力」を入れていくと、それが少しずつたまって、いつか「努力」があふれるとき、つぼの大きさがわかる、というのです。 だから休まずにつぼの中に努力を入れていけば、いつか、必ずできるときがくるのです。
私は、この話が大好きです。ようち園のとき、初めてお母さんから聞きました。そのときは、横ばしごの練習をしているときでした。それからも、一輪車や、鉄ぼうの前回り、とび箱、竹馬。何でもがんばってやっているとき、お母さんにたのんで、この話をしてもらいます。くじけそうになったときでも、この話を聞いていると、心の中に大きなつぼが見えてくるような気がします。 そして、私の「努力」がもう少しであふれそうに見えるのです。だから、またがんばる気持ちになれます。
お母さんの言うとおり、今度の逆上がりのつぼは、ずいぶん大きいみたいです。逆上がりを始めてから、もう二回もこの話をしてもらいました。でも、今度こそ、あと少しで、あふれそうな気がします。だから、明日からまたがんばろうと思います。
お母さんは、「つぼが大きいと、とても大変だけど、中身がいっぱいあるから、あなたのためになるのよ。」と言ってくれるけど、今度神様にもらうときは、もう少し小さいつぼがいいなあと思います。
このお話を、子供たちの目の前にいろいろな大きさのつぼがあるように、手で大きさを示し、「努力」を流して込むようにしながら、語るのです。 子供たちは、きっと食い入るように聞くと思います。