呼びかけ、短いせりふの子を褒める

私は、運動会の演技や競技の練習ももちろん、卒業式の練習も「授業」だと考えてきました。
わかりにくいかもしれませんが、ただ繰り返して覚え込む「練習」ではなく、なんらかの「できた」「わかった」という達成が、少しでもあるようにしたいという思いがあるのです。

卒業式練習の際、みんながせりふを言う呼びかけの練習も行います。ただ、他にも歌や作法の練習もやらなくてはいけません。
ですから、人数が多い学校だと、呼びかけ練習の後、あまり指導ができないこともあるのです。

そんなとき、時間がない中で、各クラス一人ずつ上手な子を紹介したことがありました。

実は、選んだのもちろん上手な子なのですが、「短いせりふ」の子を、特に選んで紹介したのです。

「・・さん、あなたの呼びかけのせりふを言ってごらんなさい」
私に促されて言ったその子のせりふは、短いながら、凛として体育館中に響きます。
他の子は思わず、その響きに聞き入りました。
そして、次の瞬間、ものすごい拍手が起こったのです。

「短いせりふでも、とってもかっこよかったでしょう。・・さんの言い方をお手本としてください。自分のせりふを大事にするんだよ。」 と言うと、子ども達はうんうんと頷いていました。