「UDフォント」を学校に

教室の中には一定数、文字の読み取りに困難さを抱える傾向の子供達がいます。
一般的に「拾い読み」と言われる単語ごとに切った読み方をする子や、非常にたどたどしい読み方をしている子は、そんな困難さを抱えている子なのです。

このことは、読解の能力があるとかないとか以前に、その入り口・読みの部分でつまずくことがあることを示しています。
そして、そのような困難さを抱える子たちのために、「UDフォント」というフォントが考えられました。

「UDフォント」は、明朝体とゴシック体で代表させるようなデザイン重視のフォントではなくて、読みやすさ重視のフォントです。

どこが工夫されているかと言うと、
・文字の太さの強弱を抑える
・「す」などにあるループを大きくする
・はらいやはねの先端は丸める
などなのです。

はらいやはねの先端を丸めたのは、文字の先端が尖っていると突き刺さるようなイメージをもってストレスを感じる子がいることへの配慮です。

実は、この「UDフォント」は、読みに困難を抱えていない子にも効果があることがわかっています。

奈良県の生駒市教委が、小学生116人を対象にUDフォントを使った実験を実施しました。文章を読んで正誤を判断する問題を、UDフォントと一般的な教科書体で36問ずつ解いてもらったのです。 すると、教科書体で66%だった正答率は、UDフォントでは81%になったのです。

読みやすいことが理解につながり、さらに、学習に対して意欲的になリます。
そんな「UDフォント」は、すでに一部が無料で使用できます。
ぜひ、学校のPC環境に、明朝体、ゴシック体とともに、「UDフォント」も揃えていってください。

産経新聞
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