教育トークライン2020年3月号で、林健広氏は、6年生算数の授業において、本当の採用試験問題を「難問」として行うことを提案しています。 それは、警察官採用試験の教養問題です。
こんな問題です。
「ある警察署で、A〜E のスリ団を逮捕した。スリ団の団長が誰であるかを聞いたところ、各人は次のように話したが、真実を言っていたのは一人しかいなかったものとすると、スリ団の団長は誰か。
A「私もDも団長ではありません」
B「 団長は C か E のいずれかです」
C「 私もBも団長ではありません」
D「A、Bのいずれかが団長です」
E「私もDも団長ではありません」
(警察官?類 教養試験 平成20年4月29日)
この問題の解答は公開されていないそうです。
ですから、私がこうではないかという回答を示します。
間違っていたら、指摘してください。いやいや、ビクビクです。
まあ、その前に、けっこう難しいのでご自身で解いてみてください。
まず、それぞれの発言を嘘だとしたら団長は誰か、真実だとしたら団長は誰か、場合分けします。
すると、このようになります。
A嘘の場合「団長はAかD」、A真実の場合「団長はBかCかE」
B嘘の場合「団長はAかBかD」、B真実の場合「団長はCかE」
C嘘の場合「団長はBかC」、C真実の場合「団長はAかDかE」
D嘘の場合「団長はCかDかE」、D真実の場合「団長はAかB」
E嘘の場合「団長はDかE」、E真実の場合「団長はAかBかC」
次は、Aから順に、その発言が真実だとして、他の4名と整合性がとれるか一つずつ確認していきます。
例えば、A真実のB嘘C嘘D嘘E嘘のどれにも場合は「団長はBかCかE」です。
すると、共通して当てはまる団長はありません。
こんなふうにやっていって、共通して当てはまる組み合わせがあります。
それは、C真実の場合の「団長はAかDかE」です。
A嘘B嘘D嘘E嘘のどれにも場合があるのです。団長がDの場合です。
こうして、「団長はD」と解答したのでした。
やってみて、林健広氏のように6年生の卒業前くらいに行うのがよいと思いました。
誰か、機会があったらやってみてください。
教育トークライン2020年3月号
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