オンライン国語教え方セミナーを、教育サークルで開催しました。
講師は、武田晃治氏です。
このセミナーの中で一番印象に残ったのは、次のことでした。
武田氏は、国語の授業で、意見が分かれたことについて討論した後、まとめの文章を書かせています。
このようなまとめの文章は、一般的に行われていることですね。
私もよく書かせていました。
討論を重視し、文章を重視するクラスでは、まとめの文章はたいせつなことなのです。
武田氏の提示した、まとめの文章の型は、このメルマガで紹介したことのある「根拠の列挙」のやり方でした。
・主張
・根拠の列挙
の順に、書かせていくわけです。
ところが、武田氏はこの「主張」「根拠の列挙」の後に、「異なる意見の良さ」なるものを書かせていたのです。
ある子は、「ごんぎつね」の授業で、ごんはどんなきつねかという討論の際、「いたずら好きなきつね」と考えました。そして、その主張にそって、まとめの文を書いていきました。 その最後は、こうなっています。
「だが、「やさしい」という意見も一理あると思う。なぜなら、ごんが栗を持ってきたところで撃たれたから。つまり、やさしくなければ撃たれなかったことになるからだ。」
「異なる意見の良さ」をまとめの最後に書いているのです。
この「異なる意見の良さ」を書かせることを、武田氏は、多面的な見方を身につけてほしいからだと述べています。
私は、このようなアウトプットを設定することで、相手の意見をよく聞いて、ときにメモもしていくだろうと考えました。
アウトプットを前提にしておくと、インプットも意識的になるのです。