低学年での音読のバリエーションとして、うってつけのものがあります。
「間違え読み」です。
低学年の子には、音読のバリエーションがなければたくさん読ませることはできません。ただ、バリエーションと言っても、おもしろくないとのってきません。 そのバリエーションの中でも強力なのが、この「間違え読み」です。
強力すぎて、私は年に1回か2回と、限定して使っていました。
「今から先生が、教科書を読んで行きます。先生が選んだところをみんなも読みます。ただし、先生はわざと間違えて読みます。みんなは引っかかってはいけません。いいですね。」
こう言って、間違え読みを始めます。
「タンポポは、ひよわな草です。」
子供達からくすくすと笑いがもれます。
「みんなは引っかからないで、正しく読むんですよ。」
と言うと、子供達は、
「タンポポは、じょうぶな草です。」
といつもより強く読んでくれます。
「葉がふまれたり、つみ取られたりしたら、もう生えてきません。」
子供達は間違いを見逃すまいと集中して教科書を見ています。
そして、さらに声を大きくして、正しく、こう言います。
「葉がふまれたり、つみ取られたりしても、また生えてきます。」
この間違え読み、教師の間違え方のポイントは次です。
・子供達の意表をつくこと
・間違えるのは、一部につき一箇所だけに限定すること
・淡々と、すました顔で、間違い続けること
私は、低学年の先生がお休みしたりするなどして、補教に入ったときに、この「間違え読み」を行っていました。
ぜひ、試してみたい音読です。
「やんちゃ坊主も熱中する国語授業」 浅川 清