同じ「立ち歩く」でも、いろいろな理由がある

授業中立ち歩く、そんな子がいます。多くは特別支援が必要な子です。
でも、なぜそんなことをするのか、私はずっとわかっていませんでした。

応用行動分析で使われる手法で、ABC分析という手法があります。
原因(先行条件Antecedent)行動(Behavior)結果(Consequence)の関係を調べ、考えることによって、支援の具体的方法を探っていくのです。

さて、
なぜ、その子は「立ち歩く」のでしょうか。
言い換えれば、その子は「授業中立ち歩く」ことによって、どんな結果(良い結果・利得)を得ようとしていたのでしょうか。

私は、初めてそのような場面に遭遇したとき、ただ「おかしな子だなあ」と思っていました。
普通、そんなことはしないので、特別な子なのだと認識したのです。

でも、特別な子でも、立ち歩く理由があるはずです。
難しいのが、考えられる理由が一つではないことです。

ある子は、勉強がわからなくて、その勉強から逃避するために立ち歩きます。
ある子は、先生や他の子に注目してもらい、かまってもらいたくて立ち歩きます。
ある子は、立ち歩くこと自体を必要として、じっとしていられずに立ち歩きます。

同じ「立ち歩く」でも、いろいろな理由があるのです。