学習障害のひとつに、ディスレクシア・識字障害があります。
ディスレクシアには、色々なタイプがあるそうで、文字が動いて見えるタイプや隣の文字がくっついて絵に見えるタイプなど、その子によって症状が違うのです。 そんな症状ですから、ディスレクシアの子は、文章がなかなか読めなかったり、漢字がなかなか書けなかったりします。
年齢を重ねて、診断を受けて、ディスレクシアと分かった子たち。
その子達が、まだ、自分がディスレクシアとわからなかった時に、これはありがたかったという教師の行為があります。
それは、問題文を教師が読んでくれたことなのです。
算数がわかりやすいのですが、教師が問題文を範読することで、ディスレクシアの子は文字でなく、耳から問題文を理解することができたのです。 ですが、とかく、
「みんなで問題を読みます。さんはい」
と子供達に問題を読ませるだけにしがちです。
ところが、子供達に問題を読ませてしまうと、ディスレクシアの子はその文字が読めないので、問題が全く分からないのです。
これでは、算数の力があっても、問題が解けるわけがありません。
教室に在籍する子の中にディスレクシアの子がいるかどうか、なかなか分かりません。
しかし、漢字がなかなか覚えられなかったり、文章がなかなか読めなかったりしたら、ディスレクシアを疑ったほうがいいと思います。
そして、そんな子のために、多くの場面で、教師が問題文や説明を読み上げていくことが重要だとわかってください。