ADHDの人の行動傾向の例

2020/09/19

発達障害の子に対応するとき、その子達がどのように行動するのか、事前に症例や行動傾向を知っておくべきです。
それは、そんな症例や行動傾向を知っておくことで、こちらの指導に対して意にそぐわない行動をしたからといって、落胆したり、怒りを覚えたり、失望したりすることが減るからです。

ADHD の子は、注意欠陥・多動性障害です。
その注意欠陥の行動傾向のわかりやすい例を、「脳を鍛えるには運動しかない」という本に見つけました。
私はすとんと落ちました。

「一般に注意不足とは、重要でない刺激への関心を抑制できないこきだと考えてよい。言い換えれば、注意を払うべきでないものに、どうしても注意を向けてしまうのだ。」

授業中、注意を向けるべきは、もちろん先生の言葉であり黒板に書かれたものです。しかし、それが重要だとわかっていても、 つい黒板の横に刺さった画鋲が光ってる事に気を取られてしまうのです。

「頭を鍛えるには運動しかない」には、次のような症例が掲載されています。

「 ADHD の人が時間の管理が苦手で遅れがちなのも、作業記憶の欠損ゆえである。彼らは、時間が経つことを文字通り忘れてしまうので、するべき仕事に取り掛かろうとしない。
遅刻続きでクビになりそうなあるADHD の女性は、例えば、朝シリアルの箱を取ろうとして、食器棚が乱れていることに気づくと、出かけなければいけないことを忘れてしまう。そして、ひとしきり整理に熱中した後に、何をすべきだったのか思い出してパニックになる。」

ここで重要なのは、「わざとじゃないということ」と、その人が「注意がそれてしまうことを悪いことだと思っていること」です。

クラスにきっと ADHD(傾向)の子がいると思います。
私が紹介した、シリアルの箱を取ろうとして食器棚の整理に夢中になってしまう女性のようなことをしていないか、考えてみてください。