「読書好きな子に育てる」まず、本が身近にあるようにする

本好きな子に育てるために、どうしたらよいのか。
まず、環境面から考えてみました。

本好きな子にするためには、まず身近なところに本がたくさんあることが、とても大切だと思います。
私の息子たちの場合は、私が本好きということもあって、いたるところに本やコミックがありました。
息子たち用の本も、ためらいなく買っていました。
正直言うと、「ありました」と言うよりも、「ありすぎた」と言った方がいいかもしれません。

本が身近なところにたくさんあれば、目に飛び込んできます。
これ面白そうだなと思った本は、ちょっと手を伸ばせば、中をあけてみることもできます。
本の読むきっかけの数が、格段に増えるわけです。

加えて言うと、どんな本かというのがわかるように置いてあると、目に飛び込む頻度が増えます。… 続きを読む

「読書嫌いにする方法」3 やはり「差」を見せつけてはいけない

大森修氏は、クラスの子どもたちを読書好きにするために、本を読んだらシールを貼るという方法を改めます。
読んだ数だけシールが貼られた表を教室に掲示することは、本がなかなか読めない子にとっては、弊害が大きかったからです。

では、どんな方法に改めたかというと、シールではなく、本の名前を紹介し、それを掲示するという方法です。

では、この方法はうまくいったのでしょうか。

子供は読書するようになりました。
しかし、二学期半ばになって、保護者から次のような訴えがあったのでした。

「うちの子供は毎日のように図書館から本を借りてきます。しかし大半は読んでいないのです。それなのに読んだ本として掲示されているのです。読んでいないのに読んだと嘘をつく子供にはしたくないのです。どうしたらよいでしょうか。」 「作文技術で思考を鍛える」(大森修)

この方法も、 シール同様、子供に良かれと思ったことが、返って子供を苦しめていたのでした。… 続きを読む

「読書嫌いにする方法」2「シールを貼って読書の量を示す方法」

「シールを貼って読書の量を示す方法」
このようなシールを貼って読んだ本の数をグラフにして、教室に掲示する方法の問題点は何なのでしょうか。

大森修氏は、「子供が読んだ本の冊数だけを明示しているのが問題」だと言います。

シールを貼ることによって、たくさん読んでいる子とそんなに読んでいない子の差が目立ちます。
当初は、そんな読んでいない子も、やる気になって本を読む気になるでしょうが、しばらくすると本を読まなくなります。
それは、差がますます開いて際立ってくるからです。

本をそんなに読んでいない子は、本を読むのが遅いです。一生懸命読んでも、そんなに本は読めず、シールは少しずつしか増えません。 その間に、本好きな子はたくさん本を読んでシールをたくさんもらいます。

大森修氏が、先輩教師から聞いた話として、図書室の本が軒並み落とされた事件を紹介しています。
犯人の子供を問いただすと、このように言ったのです。… 続きを読む