とろみの自販機は誰のため?

日能研の「シカクいアタマをマルくする」には、環境問題だけでなくて、日本が抱える高齢化社会への問題も取り上げられています。

2020年 青山学院横浜英和中学校入試問題です。
https://www.nichinoken.co.jp/shikakumaru/202009_sh

次の文章を読んで、後の問いに答えなさい。
(略)日本の自販機のあゆみを見てみましょう。(略)
さらに、子供や車椅子の方でも押しやすいようにボタンを低い位置に設置してある自販機や、「とろみボタン」つきのカップ式自販機など、さまざまな立場の方に配慮(はいりょ)した自販機が登場しています。自販機はわたしたちの “いま” を見つめ、そしてわたしたちの “未来” も見すえて存在している、まさに社会の鏡なのです。

(問)下線部について、近年、下の地図記号が示す施設などにおいて、コーヒーやココア、緑茶などに少しねばり気のある “とろみ” をつけることができる自販機の設置が進んでいます。このような施設に「とろみボタン」つきのカップ式自販機を設置することの利点を1つあげて、簡潔(かんけつ)に説明しなさい。

そして、病院と老人ホームの地図記号が図示されています。

私の父は、高齢になって飲み込む力が弱くなり、最後は介護施設においてとろみをつけた食べ物や飲み物をとるようになりました。
結局は、とろみを使っても飲み込みが弱くなり、誤嚥(ごえん)してしまい、肺炎を引き起こしてしまいました。

ですから、私は、このとろみというのは、飲み込む力が弱くなった敬老の方が誰にとっては必要なことだということを実感しています。

もちろん病院においても、飲み込む力が弱い人がいて、そのような人にとろみをつける自販機があっても、とっても有効だと思います。

それにしても、そんな「とろみをつける」自販機があるとは知りませんでした。様々なバリエーションが必要ですね。
病院や介護施設に行ったら、キョロキョロして探してみようと思います。

以下、日能研の解答例です。

解答例
例1:飲み物があやまって気管に入るのを防げるので、高齢者でも安心して飲むことができるようになる。
例2:飲み物にとろみをつける作業が自動化されるので、病院や老人ホームで働く人の作業時間が節約され、他のことに時間をかけられる。 例3:自販機でとろみをつけられれば、病院や老人ホームの利用者は、今までより幅広い選択肢の中から飲みたいものを選ぶことができる。