まず、その子が何を望んでいるか探ってほしい

教室では、様々な問題行動が起こります。
よく、「こんな子供の問題行動があって困っているのですが、どうしたらよいでしょうか。」「子供がこんな困ったことをしたら、先生だったらどう対応しますか。」と質問されるのですが、なかなか答えられるものではありません。

それは、あくまで「個別」の案件だからです。
対象となる子供が違い、その子の抱えている悩みや障害は1人1人違うのです。

ですから、「こうした方がいいだろう」のような私の当てずっぽうのコメントに期待するのではなく、「まず、その子が何を望んでいるか探ってほしい」と思っています。

子供が問題行動を起こす場合、その行動の目的は4つです。

1つ目は、「要求」です。
その行為をやることによって、あるものやサービスを手に入れるのです。
例として、幼児が駄々をこねて、お菓子を手に入れたり、お母さんと一緒に遊んでもらったりすることがあげられます。

2つ目は、「逃避」です。
その行為をやることによって、ある活動や場から逃げるのです。
例として、いやいやをして嫌いなものを食べないとか、病院に行きたくない時に部屋に閉じこもってしまうことがあげられます。

3つ目は、「注意喚起」です。
これは、少し見分けがつきにくいのですが、「自分に注目してもらいたい」ということが動機です。「かまって」という感じです。
例えば、弟が生まれてすぐだったら、お母さんが自分をかまってくれません。そんな時に、お母さんを困らせるような行動をとるのです。そうすることで、注目してもらい、かまってもらうことができます。

4つ目は、「自己刺激」です。
不安定になった心を安定させるために、自然にやってしまうという行為です。
その行為自身が刺激となって、落ち着いたり集中したりできます。
例えば、貧乏ゆすりや足をブラブラさせる行為です。これはわざとやっている訳ではなくて、無意識にやってるのです。

以上、クラスの子が問題行動を起こしたら、以上の4つのどれなのか、その子は何を求めているのか、何から逃げようとしているのか、まず、少しそれを探ってみてください。