昨日、「逆行性連鎖」「バックワード・チェイニング」という指導方法が有効であるというお話をしました。
なぜ有効か。
それは、「成功で終わる」からなのです。
こんな例があります。
ADHDの子で、片づけが苦手な子。
朝、登校してすぐ、カバンから机に学習用具をきちんと入れることができません。
カバンは出しっぱなし、カバンの中で教科書やノート類が散乱・・・。
こんな子です。
まず、
朝、登校してすぐの片づけを細分化します。
1 自分の席に着く
2 カバンから教科書、ノート、筆入れ、連絡帳を出して机の上に置く
3 カバンをロッカーに片づける
4 教科書、ノート、筆入れを机の中に入れる
5 連絡帳を先生の机の上に出す
6 終わり
こうして細分化できた後に、その子に順番に取り組ませるのではなく、最後のところから取り組ませます。
この場合は、1〜4までは先生がやって、この子は「5 連絡帳を先生の机の上に出す」のところから取り組ませるのです。
そして、出せたことをほめてあげます。
えっと思いますね。
最後だけやらせて、これで褒めていいの?と思います。
でも、このやり方だと、必ず「成功体験をして終わる」のがよいのです。
成功体験で終わると、次の日もやる気になり、そのやる気に促されて、そのうち、一つ前の「4 教科書、ノート、筆入れを机の中に入れる」もやるなど、できることが増えていきます。
このように、手だてを考える際に、順序だてて最初からやることだけではなくて、最後からできないかも考えてみてください。