少年院を経験した少年達は、謝り方が上手

白松賢氏の「学級経営の教科書」に「反省を表現する能力」についての興味深いエピソードを載っていました。
「反省を表現する能力」という回りくどい言い方をしていますが、要するに「謝り方」です。

実は、少年院を経験した少年達は、謝り方が上手なのです。

これはなぜだか、お分かりだと思います。
それは、上手にさっさと謝ってしまえば、教師や親の説教や咎められることから逃れられるからです。
皆さんも、「もういい加減にしてほしいから謝ろう」という気持ちになった経験があると思います。
上手な謝り方は、繰り返し叱られている子達が、自然に身につける知恵なのです。

ここで、白松氏は、反省を態度で求める危険性について、

「反省したふりだけ上達し、元々の問題は残されたままになってしまう」

と述べ、「心が全く変化していない」という警鐘を鳴らしています。

確かにそうです。
しかし、低年齢において、学級のトラブルの中で多いのは謝らなかったということです。
ですから、謝り方を教えるというのが、その場合の第一義にやるべきことだと考えます。

その上で謝ることが実質をもつように、なかなかできないことですが、元々の問題を中長期的に解決していくことが求められています。