「その子が何に困っているのか」 「その子がなぜ困っているのか」

特別支援教育の第一任者である小野隆行氏が、これでは相談に乗りようがないと言っている相談者の状態があります。
相談をする側、相談を受けるようにとって非常に示唆的ですので、共有したいと思います。

教育トークライン2021年1月号に、小野隆行氏がこのように書いています。

「集団に入りづらい子への対応の相談をよく受ける。そのほとんどが答えようがない。
なぜ集団に入りづらいのかが示されていない。」

小野氏は、相談をする先生の困り感だけを伝えて、この子のことが把握できていないというのです。

「その子は、なかなかクラスの仲間になれないので困っている」という相談は、先生が困っていることは伝えています。
しかし、その子が困っていることは伝わってきません。

「その子が何に困っているのか」
「その子がなぜ困っているのか」

をもっと探ってほしいと小野氏は訴えます。

「例えば、特別支援学級の子で体育に入りづらい子がいる。
原因は何か?
1 集団の中が緊張する
2 水泳で水が怖い
3 自信がなく失敗が怖い
4 体力的に疲れる
5 縄跳びなどで痛い
6 着替えが面倒
7 暑い、寒い。喉が渇く
ざっとあげてもこれだけある。全部、対処法が違う。」

原因が異なれば、対処法が異なります。

困った困ったと言うだけでなく、その子が「なぜ困る」「何に困る」のかを探してみてください。

教育トークライン2021年1月号
https://www.tiotoss.jp/products/list.php?category_id=29