縄文人は、重い障害のある子供を育てていた

7月27日に、ユネスコは世界文化遺産に登録された「北海道・北東北の縄文遺跡群」を巡って、興味深い事象があります。

それは、秋田県で出土された「大湯環状列石」での事象です。
この大湯環状列石とは十和田大湯にある「環状列石」で、「環状列石」とはこの名のまんまで、巨大な石の列を輪になるように並べたものです。 「ストーンサークル」と言った方がイメージしやすいかもしれません。

この「環状列石」は、けっこう大きくて直径が50mほどもあるのですが、その石一つ一つが墓であり、集団の葬送が行われていたことを示しています。

「死者を葬る」という集団で葬る行為は、極めて知的な行為であって、「未開」「野蛮」といったイメージで捉えてはならないものです。

また、縄文人は、重い障害のある子供を育てていたと推定される人骨も出土しているのです。
それは、「入江貝塚」(北海道洞爺湖町)で出土された人骨で、筋肉がやせて介護を受けながら成長したとみられるものです。
頭の大きさに比べて手足の骨が極端に細いため、ポリオ(小児まひ)にかかったと説明されています。
このような仲間を排除せずに、一緒に暮らしていたことは、縄文人の思いやり・助け合いの心を示していて、非常に興味深いです。… 続きを読む