「生存者バイアス」の有名な例に納得

昨日、「生存者バイアス」(「生存バイアス」とも言います)について、話題にしました。

繰り返すと、

「生存者バイアスとは、生存者(成功者)には注意が払われるが、犠牲者(敗者)には注意が向けられない傾向のこと」

でした。

この「生存者バイアス」の例として、印象的な例があって、「そうかぁ」と腹落ちしたのでした。

それは、飛行機の例です。
かなり有名な例なので、ご存知の方もいると思います。

それは、このような例です。
第二次世界大戦においては、各国で多くの戦闘機が使われました。その戦闘機のメンテナンスにおける例です。

「アメリカ軍は、できるだけ敵の射撃によって撃ち落とされないようにするため、無事に帰ってきた航空機の機体で、損傷が激しい部位を補強した。」

これが、「生存者バイアス」の例なのです。
えっですね。
この判断は、合理的なようで、合理的でないのです。

帰ってきた飛行機は、敵に射撃されても大丈夫だったから、帰ってきたのです。
もし、撃ち落とされないように機体を強化するなら、墜落して帰ってこなかった飛行機の損傷した部位を調べて、そこを強化することがよいですね。

ですが、墜落した飛行機を探して、調べるのは難しいです。

そこで、ある数学者は、生存者バイアスを考慮に入れて、帰ってきた飛行機の「損傷していない部位」を強化すべきだと提案したのです。

これって、なるほどと思いませんか。

成功だけに目を向けるのではなく、失敗に目を向けること。
とても重要なのですね。