信州大学医学部の本田秀夫氏の元に届いた、発達障害のお子さんに関する悩み・質問で、究極的なものがあります。
それは、「自立」に関するものです。
親がいつまでも面倒をみたり、世話をするわけにはいきません。親は子供よりも先に亡くなるからです。
しかし、一体全体、自分がいなくなっても生きていけるのか。いやいや、それでも生きていかなくてはなりません。
そのときに必要な力を、親が生きているうちに子供につけておきたいと思うのは、切実かつ当然のことだと思います。
具体的には、こんな質問でした。
「将来、親亡きあとも一人で生活していけるように今、身につけておいたほうがいい力とか、大事なことがあったら教えていただきたいです」(母)
私にも、障害をかかえるお子さんの保護者の方がコーチングのクライアントさんになっていて、同様な悩みを抱えています。
決して他人事ではありません。
本田氏の答えは、
1 自分の能力を判断する力
2 他人に相談する力
でした。
1つ目は、自分にできること・できないことは何かを判断できる力だと言うのです。
自分はここまでできるが、あそこまではできないを見極められる力です。
このことは、2つ目と密接に関わってきます。
2つ目は、できないと判断されて困ったことを、誰かに相談する力です。
誰かに相談する、頼りにすることができれば、きっと生きていくことができます。
これを、なんでも自分の力でやらなくてはいけないと考えると生きていくことは難しくなるのです。
うーん、このことは、発達障害の人にかぎらず、誰にでも、もちろん自分にも当てはまって、考えさせられました。