「他の人を頼る」ことは、よりよく生きるための極意?

発達障害の子が一人で生きていくために大事なことは何か。
信州大学医学部の本田秀夫氏が、そんな究極の問いに答えていて、その答えは発達障害の子だけでなく、私達すべてに当てはまるのではないかと、私は考えたのです。

本田氏が答えた、一人で生きていくために大事なこと。それは、

1 自分の能力を判断する力  
2 他人に相談する力

でした。

自立とは、一人ですべてやるのではありません。
自分のできること・できないことを判断して、できることは自分でやり、一方、できないことは他人に頼って相談して助けてもらうことなのです。

私達も、自分の能力を判断することが大切です。

それは、できる・できないという観点もあるでしょうが、「得意・苦手」という観点もあるのです。
そんな苦手なこと、できるけれど時間がかかるとか、できるけれど多くの苦痛を感じるとかいう判断の場合は、他の人を頼りにした方がよりストレスなく、仕事をしたり、暮らしたりすることができます。

ですが、なかなか、

「自分の苦手なことを認める」
「他の人を頼る」

ことができないのです。
そんなことをすると、何か自分の価値が下がるように感じるのですね。
そして、結局、自分で苦手なことも抱え込むことになります。
それでは、生きていくのがつらく、苦しいものになります。

私は、できないこと・苦手なことにおいて、「他の人を頼る」ことは、よりよく生きるための「極意」ではないかとさえ考えています。