昨日、今年の小学校中学年の課題図書「みんなのためいき図鑑」(村上しいこ作)に出てくる、子供より先回りして、あれこれ注意して話してしまうお母さんのことを話題にしました。
そんなお母さんに日々接していると、子供は自分の思いを話すことができず、失敗をすることもできず、ついには心を病んでしまうのです。
調べてみると、このように親が「先回り」して、子どもにとって障害になるものを取り除いたり、手出しをしたり、口出ししたりする育児のことを、
「カーリング育児」
というそうです。
これは、あの「ロコ・ソラーレ」の活躍で知れ渡ったカーリング競技において、滑らせたストーンを「先回り」して、ブラシでゴシゴシとリンクをこする様子と、先回りした育児とダブらせているわけです。
要するに、
「カーリング育児=過干渉育児」
なのです。
さて、こんな「カーリング育児」をしている親の心理を、推理してみます。
それは、1つには、
「わが子を成功させたい」
という親として当然の心理だと思います。
ただ、その「成功させたい」が裏返ってしまい、
「わが子に失敗をさせてはならない」
という心理が極度に働いているのだと思うのです。
ここでよくよく考えてほしいのですが、子供が試行錯誤し、成功と失敗を繰り返しながら、少しずつ成長していくのを「見守る」のは、かなり覚悟がいりますね。 口出ししないことは、けっこうな「我慢」が必要なのです。
一方、子どもの先回りをして、口出しするのは「楽」とも言えます。
こうしてみると、「カーリング育児」をする親というのは、自分の欲望にばかり注目して、我慢ができない親だと言えると思います。