「よける」と「さける」の違い

「よける」と「さける」って似ていますね。でも、それは微妙に違う気がします。
皆さん、その使い分けができていますか。

そんな「よける」と「さける」についての問題が、中学受験に出たのです。
ご存知「シカクいアタマをマルくする」日能研問題です。

それは、国府台女子学院中学校の問題で、こんな問題なのです。
https://em-tr271.com/L90494/b300/120351

(問)「さける」と「よける」は同じような意味で使われているように思われますが、厳密には違(ちが)いがあります。次の1〜3の例文は「さける」を使うほうが自然である文、4〜6の例文は「よける」を使うほうが自然である文です。これらの文の違いを考えた場合、・の文の(  )にはどちらの語を使うのが自然ですか。あとの記号で答えなさい。

1 リスクをさけて行動できることが成功への第一歩だ。
2 彼は山奥にこもり、人目をさけて生活している。
3 はじめは苦手な問題はさけて、易しい問題から解こう。
4 目の前に転がってきたボールをよけて歩き続けた。
5 あなたの嫌いなにんじんはよけてあるから、残さず食べなさい。
6 あの落下物をよけていなければ、今ごろ負傷していただろう。

・出荷の前に、不良品は(  )おく。
(ア)「さけて」を用いるほうが自然である。
(イ)「よけて」を用いるほうが自然である。

さあて、不良品はさけておく?よけておく?どっちだと思いますか。

これは、さけたこと、よけたことを比べてみるとわかってきます。

さけたのは、
・リスク
・人目
・問題
です。

よけたのは、
・ボール
・にんじん
・落下物
です。

これでわかるのは、「抽象的なことはさける」「具体的なこと(モノ)はよける」ということです。

とすると、不良品は具体的なモノなので、「よける」のが適切なのでした。

いやいや、知らないうちに、微妙に私たちは使い分けているのですね。