「前」と「元」の違い

ある教師の地方コミュニティにおいて、私は代表をしばらく務めていたことがありました。
最近、そのコミュニティの集まりがあって、私のことが「前代表」とアナウンスされたので、いやいや「元代表」だと訂正したのでした。

この「前」と「元」の違いを、取り上げます。

「前」とは、一代前のことを使う表現です。
現在の前の状態なのです。

総理大臣で言うと、現在は岸田総理なので、一代前は菅前総理となります。
自動車もスマホの「前モデル」という場合も、直前のモデルのことを指します。

一方、「元」とは、以前そうだったことがあるというときに使う表現です。
ですから、二代前より以前はすべて「元」という表現になります。

「元総理」と言えば、これまでに総理大臣になったことがある人物のすべてを指します。
安倍元総理、野田元総理、小泉元総理・・・・と何人もが当てはまるわけです。

私の場合も、現在の代表の三代前の代表だったので、「元」代表というわけです。

ただし、この「前」と「元」の使い方ですが、例外があって、職業については先の使い方が当てはまらないのです。
それは、一代前の仕事についても「前」ではなく、「元」を使うことです。

私の場合で示すと、私の以前の(一代前の)職業は教師でしたが、「元教師」という言い方をします。
おもしろいですね。