「世界幸福度ランキング」を作成する際の聞き取り調査について、もうシリーズの感じになってきました。
今回は、「他者への寛容度」についてです。
実は、この「他者への寛容度」は、「過去1か月間に慈善団体に寄付したか?」という質問への回答なのです。
なんだって?
こんな質問されたら、「していない」って、ほとんどの日本人は答えると思います。
私の場合を考えてみます。
過去1ヶ月と、というと2023年の12月中になるのですが、私の場合、寄付したかというとしていませんね。
年末、募金の場面に遭遇しませんでしたし、自ら、募金しようという意思をもっていませんでした。
そう、それは私だけというより、そもそも、そういう寄付の文化が日本にはないのです。
他の国々では、キリスト教の影響からか、寄付が生活に密着していると言います。
それは、「富を持つものが、貧しい人に分け与えるべき」という考え方があるからです。
ちなみに、アメリカの寄付額は、2020年で34兆5,948円で、これは日本の寄付額と比べると、約30倍にもなります。
でも、日本は違います。
日本では、寄付は、貧しい人に対して行うというより、不運・不幸に遭遇した人に対して行うものなのです。
そう、日本の寄付は、日常的なものではなく、非日常的なものなのです。
ですから、寄付する・しないは、「過去1ヶ月」に事件や災害が起こったかどうかにかかっていて、それは、極めて偶然によるわけです。
こんな文化の違いがあるのに、寄付に関する質問をしたら、日本は不利になります。
ちなみに、幸福度ランキング1位のフィンランドと比べると、もう圧倒的に低い数値になっています。
そして、この低い数値のおかげ?で、幸福度ランキングは、かなり下がっているのです。
今後、違う測定方法、異なる質問を考えてもらいたいですね。