ドッジボールにおける「上下意識」

今日も、「ドッジボール」について取り上げます。 でも、ドッジボールということではなく、何気なく子供たちがもっている「上下意識」「平等意識」についてです。
今回の余暇支援活動で、3年生以上の子たちでのドッジボールをしたのですから、そもそも 能力差が存在します。
年齢による能力差 男女による能力差
そもそも、いろいろな人がいるのですから、能力差はいつだって存在するわけです。
その能力差をできる限りフラットにして、どの子も自分の能力に合わせて参加し、その上でその能力を伸ばしていけるようにするのが、大げさに言えば、教師の役割だと思います。
そんな思いをもっている私の眼前で、かつて見たような光景が引き起こされました。
それは、
「たまたま転がってきたボールを手にした女の子が、運動が得意な男の子にボールを渡す」
光景です。
それは、「自分が投げるより運動が得意な子が投げてもらった方が、チームのためになる」という意識なのでしょうか。
もしかしたら、自分にはボールを投げる資格がないと思い込んでいるのかもしれません。 投力が低いので投げても仕方がないという諦めです。
しかし、このような劣等意識を固定することは、教育の現場ではふさわしくありません。
私は、このことに気づいて、女の子がボールを渡すことをストップさせました。 そして、「あなたが手にしたボールだから、あなたが投げなさい」と申し渡しました。
ボールを受け取ろうとしていた男の子は、一瞬ハッとしたような表情になりましたが、すぐ、ウンと頷きました。
女の子は戸惑った様子でしたが、意を決したようにボールを持ち直して、相手コートに向かって、ボールを投げたのでした。
子供の中にも平等の意識はあります。 でも、何か歪んだ意識がそれを塞いでしまっているのだと思います。
その塞いだものに気づき、それを取り除く手助けを、先生にはしていってほしいです。