心が傷ついている子には、まずは傷つかない指導を

今日は、「授業中、立ち歩く子」の事例で、おそらく、「行動分析」の4つの分類「もの・活動の要求」「拒否・逃避」「注目欲求」「感覚刺激」のうち、「拒否・逃避」の理由だと思われる子について取りあげます。
これは、今回の「あんな子・こんな子 私なりのアプローチ」という講座において、教育サークルのメンバーが取り上げていた事例です。
その子は、
・勉強している内容がわからない
ことがメインで、
・やってもできない ・面倒だ ・・・
といった感情が積もり積もっている状態なのです。
サークルメンバーは、対応として、
・支援員さんに入ってもらう ・取り組む問題を減らす ・1問あたりの点数を増やす ・赤鉛筆でうすく書いて、それをなぞらせる指導
をあげて、効果をあげていたとレポートしていました。
ここで、注目してもらいたいのは、この子に精一杯の努力を要請しているわけではないと言うことです。
現在のこの子は、勉強している内容がわからないと「傷ついている」状態です。 この「傷ついている」状態で、大きな努力を求めることは、よい方向ではありません。
まずは、問題を減らし、最小の努力でよい点数を取れるようにするなど、「傷つけない」指導が必要だと思うのです。
そして、そのような「傷つけない」指導を積みかねていった先に、他の子と同じような努力を求めていくようにするのが、ベターなやり方だと思います。
とかく、私達は、他の子と同等な努力を求めがちですが、それは、返って、よくない結果を引き起こしがちなのです。