「不登校」に関する文部科学省の方針転換

不登校についての認識について、文部科学省も方針を転換しています。
それは、平成29年の学習指導要領総則の解説編において示されています。
「不登校は,取り巻く環境によっては,どの児童にも起こり得ることとして捉える必要がある。また,不登校とは,多様な要因・背景により,結果として不登校状態になっているということであり,その行為を「問題行動」と判断してはならない。加えて,不登校児童が悪いという根強い偏見を払拭し,学校・家庭・社会が不登校児童に寄り添い共感的理解と受容の姿勢をもつことが,児童の自己肯定感を高めるためにも重要である。」
ここにあるように、不登校を、「はずれた」「不適切な」「問題のある」行動だと捉えることを、戒めているのです。
私(たち)は、教師として、不登校になりかかっていた子を、なんとか学校に来られるように、心をくだき、手間暇かかるアクションを行ってきました。
その奥底には、不登校が、問題あるとは思いませんが、「はずれた」行動だという意識があったと思います。 それは、学校を存立の基盤とする教師として当然のことかもしれません。
学習指導要領は続けます。
「また,不登校児童については,個々の状況に応じた必要な支援を行うことが必要であり,登校という結果のみを目標にするのではなく,児童や保護者の意思を十分に尊重しつつ,児童が自らの進路を主体的に捉えて,社会的に自立することを目指す必要がある。」
これは、学校という組織に帰属(登校)させるという短期的な目標設定ではなく、最終目標を「社会的な自立」という長期的な目標にしたということです。
うがった言い方をすれば、もう学校だけでは、不登校の子をサポートしきれないという本音が見えてきます。