元々の「三匹の子豚」「アリとキリギリス」

「みんなが同じ心をもてるはずだ」と無意識に思ってしまうことを、「同質性の信仰」と、岡本薫氏は、著書「日本を滅ぼす教育論議」において呼んでいます。 日本人が、「みんなが同じ心をもてるはず」と信じこんでいることを「信仰」という言葉で表しているのです。
もちろん、「信仰」ですから、そのことに対して無自覚です。

この「同質性の信仰」が表れている一つに、童話があります。
有名な「三匹の子豚」「アリとキリギリス」において、それが顕著なのです。

「三匹の子豚」の元々の話はこうです。

一匹目はわらの家を建てましたが、オオカミが来て子ぶたを食べてしまいます。
二匹目は木の家を建てましたが、オオカミが来て子ぶたを食べてしまいます。
三匹目の子ぶたはレンガの家を建てました。オオカミは子ぶたを食べようとして、煙突から家に入ろうとします。鍋に落ちたオオカミは、料理されて子ぶたに食べられてしまいました。

元々は、オオカミは食べられてしまうのです。… 続きを読む

「バイト敬語」の代表「よろしかったでしょうか」の使い方

「敬語の指針 文化審議会答申」には、「マニュアル敬語」についても項目を立てて解説がされています。
巷では、「バイト敬語」なんて呼ばれています。

「バイト敬語」の代表は、「よろしかったでしょうか」ですね。

私は、「ご注文の品は・・でよろしかったでしょうか」と言われると、非常な違和感を感じます。

ところが、このごろは飲食店だけでなく、ビジネスの話でもこのようなフレーズが使われるようになったといいます。

「この方向でまとめてよろしかったでしょうか」
「私どもの方でご用意する形でよろしかったでしょうか」

この「よろしかったでしょうか」は相手に配慮をし、自分の判断でよいのかどうかを再確認する意味があるのでしょう。
それでも、過去形はないだろうと思います。… 続きを読む

「・・させていただく」の使い方

よく、「本日の司会を務めさせていただきます。渡辺と申します。よろしくお願いいたします。」と、会議の冒頭に挨拶する司会者がいます。 でも、私は、「させていただく」と言われても、別に許可した覚えないんですけど、なんてひねくれたことを、よく考えていました。

この頃、「させていただく」という言葉はかなり使われています。
・説明させていただきます。
・紹介させていただきます。
・送付させていただきます。
・・・

必ずしも、誤用というわけではないらしいですが、「もっと簡潔でありたい」いう指摘があります。

それは「敬語の指針 文化審議会答申」にあるのです。… 続きを読む