「放課後の校内巡視」は、今の時期だと暗いし、寒いし、時間もずいぶん取られます。
私は、早く警備会社などに業務委託した方がよいと思っています。
しかし、この仕方ない「放課後の校内巡視」にも、「付随したメリット」はあったのです。
「付随したメリット」とは、廊下に掲示してある図工作品を見ることです。
放課後、窓の施錠と電灯の消灯を点検しながら、各教室を回っていきます。
すると、いやがうえにも、廊下の図工作品が目に飛び込んでくるのです。
私は、少し立ち止まり、
「これは、ほとんど指導しないで描かせたな」
「絵の具の使い方を教えたほうがいいのになあ」
などと、自分のことは棚に上げて、作品批評?や図工指導批評?をやることもありました。
しかし、時に、
色鮮やかな作品が、ずらっと掲示してありました。
迫力ある、今にも動き出しそうな作品が掲示してありました。
ていねいな仕上がりの作品が、並んで掲示してありました。
このような作品の前では、私は、しばらくし足を止め、「どうやって指導したんだろう」と考えをめぐらせていました。
そして、職員室に戻ると、その教室の先生に必ず声をかけました。
「〇〇先生、廊下の作品、すごい迫力ですね。あれ、どうやって指導したんですか、教えてください。」
廊下に誇らしげに作品を掲示しているということは、その先生はその作品に自信があるということだと思います。
ですから、その思い通りに、ほめてあげたいのです。
その先生はうれしそうに、そして、自慢げに、私にどのように指導したか教えてくれました。
そんな、「付随したメリット」も、校内巡視にはあるのです。
窓の施錠の点検はしなくてよいですから、自分の勉強のために、図工研修のための校内巡視を勧めます。