「指導教官」は使わない

教育実習生が勤務校に実習にやってきた際、挨拶がてら、私は「大学の指導教官はどなたですか?」など聞いたものでした。

ところが、今では、そのような「指導教官」という使い方はしないことを知りました。
正しくは、指導教員と言うのだそうです。

とすると、「教官」とは何かという定義の理解が必要ということですね。

教官の「官」の字は、よく「民と官」というように、「公務員」であることを指しています。

ところが、国立大学は国立学校大学法人法によって「法人」となっていて、大学の教授は公務員ではなくなっているのです。
私はうかつにも、「えっ、そうだったの」という認識でした。

ですから、現在の大学では、公立、私立ともに「教官」は存在しないのです。

同じく、「任官」とか「退官」という言葉も使われなくなっています。

時代の変遷によって、言葉も変遷していくのですね。… 続きを読む

言葉がうつ病を引き起こす

「脳の進化から探るうつ病の起源」では、ヒトがうつ病になる原因が、進化にしたがって積み重なってきました。

まず、「天敵」。
そして、「孤独」、「記憶」。
ついで、「言葉」が積み重なりました。

この「言葉」は、「記憶」の共有財産化といってよいです。
「言葉」が、ヒトに必要になったのは、危険な目にあったことを共有財産化することで、生き延びることができるからです。

例えば、誰かが、泉のそばで、突然、ライオンなどの猛獣に襲われたとします。
そのヒトは、幸いにも、命からがら逃げることができました。

もし、「言葉」があれば、その猛獣に襲われた「恐怖」を伝えることができます。
そうすれば、泉で水を飲む際に注意を払います。誰かを見張りにつけることもできます。… 続きを読む

記憶がうつ病を引き起こす

「脳の進化から探るうつ病の起源」では、ヒトがうつ病になる原因が、進化にしたがって積み重なっていくと説明されています。

まず、「天敵」。
そして、「孤独」。

そして、「記憶」です。
「記憶」がヒトに必要になったのは、危険な目にあったことを思い出すことで、生き延びることができるからです。

例えば、あるとき、数名で茂みで木の実を取っていたら、突然、ライオンなどの猛獣が現れ、襲ってきました。
自分は命からがら逃げることができたのですが、仲間は哀れにもその猛獣の餌食になってしまったのです。

そんな恐怖の記憶があれば、茂みで木の実を取る際に注意を払います。誰かを見張りにつけたり、見通しのよい茂みを選ぶこともできます。

このように「記憶」は、生存にとって有効なのです。

しかし、その「記憶」の恐ろしさが、フラッシュバックのように現れるとしたら、過剰なストレスになります。… 続きを読む