「・・を打つ」授業

今回の「平成30年度全国学力・学習状況調査」では、小学校と中学校に共通する問題が出されたことが注目されました。
http://www.nier.go.jp/18chousa/18chousa.htm

これまで、比較的低得点だった国語の「慣用句」に関する問題です。
小中共通して「心を打たれる」という慣用句について、問うています。

「心を打たれる」
その意味として、最も適切なものを、1から4まで中から選ばせます。
1 一つのことに集中する。
2 遠慮する。
3 感動する。
4 あれこれと心配する。

そんなに難しくない問題だと思います。

さて、これで終わってはつまらないです。
思いつくままに、ずらっと「・・を打つ」という慣用句を並べてみました。

心を打つ
胸を打つ
手を打つ
膝を打つ
相槌を打つ
雪崩を打つ
そばを打つ
寝返りを打つ
逃げを打つ
舌鼓を打つ
碁を打つ
水を打つ
コンクリートを打つ
底を打つ

さて、授業っぽくしてみましょう。
これを二つに分類してみてください。
私も、自力で分けてみました。


胸を打つ
膝を打つ
相槌を打つ
そばを打つ
舌鼓を打つ
碁を打つ
水を打つ
コンクリートを打つ
底を打つ


手を打つ
逃げを打つ
寝返りを打つ
雪崩を打つ

です。
皆さんはいかがですか。

Aは、「打つ」のイメージ通りの用法で、英語で言う「hit」です。
「心を打つ」は心を、「そばを打つ」はそばを、ドンとか、バンとか、トンとか叩くのです。
ちなみに、「コンクリートを打つ」は、昔は物理的にコンクリートを叩いて余分な気泡を出していたことが語源だそうです。

では、Bはどうなのでしょう。
調べてみると、「打つ」=「行う」という用法なのです。
「手を打つ」=「必要な手だてを行う」
「逃げを打つ」=「責任から逃げるを行う」
です。

ギリギリ小学生高学年には授業可能かな、なんて思います。
チャンスがあったらやってみてください。