人は真ん中の「竹」を選ぶ

「松竹梅の法則」と言われている法則があります。
そう、人は真ん中の「竹」を選ぶという法則です。

寿司屋やうなぎ屋などのメニューには「松・竹・梅」があります。
もちろん、「松・竹・梅」には価格差があります。
例えば、4000円の松寿司、2000円の竹寿司、1000円の梅寿司です。

それで、この3つのメニューの中からどの寿司を選ぶかというと、人は圧倒的に真ん中の「2000円の竹寿司」を選ぶのです。
このことを、日本では「松竹梅の法則」と呼びます。しかし、一般的には「極端性回避」の心理的傾向と呼んでいます。

それにしても、なぜ真ん中を選んでしまうのでしょうか。

これは、昨日話題にした「損失回避性」で説明できるのです。
1番安い梅寿司を選ぶと、「もしかしたら失敗するかもしれない。安いだけあって、おいしくないかもしれない」と思うのです。
それに、もし彼女とデートしているのだったら、「1番安いものを頼んでケチと思われるかもしれない。それはいやだな」と思うのです。

しかし、
1番高い松寿司を頼むと、その4000円に見合ったものかどうか心配だ。4000円出したのに大したことがない寿司が出てくるかもしれない」と思うのです。 もし彼女とデートしていても、「今月はずいぶん他のことに使ってお金もあまりないし、高いのを頼むと明日から心配だ」と思うのです。

だったら、
ここは「冒険」しないで、失敗しないような「無難」な選択をしようということで、真ん中の竹寿司を選んでしまうのです。
もし彼女とデートしていても、「真ん中の竹寿司だったら一応それなりにカッコつくし、ケチとも思われないだろう」と考えるのです。

この「松竹梅の法則」=「極端性回避」の心理的傾向は、商品の価格設定に一般的に応用されています。
なんでこんな高い商品があるんだろうと思ったときは、その商品は別にそんなに売れなくてよい、本当はその下のランクの商品を売りたいのだと思ってください。

人は自分の意志で選んでいるように見えて、選ばされていることがたくさんあるんですね。
学校でも、同じことが起こっていますよ。