先週、夜間に読書感想文指導に関するミニ講座を開催しました。
読書感想文というと、ありがちなのはずらずらとあらすじだけを書いたものです。これは、読書感想文とはどのようなものか教えないで、ただ「読書感想文を書いてきなさい」と放置した結果だと思います。
私は、読書感想文を「読書を通した意見文」と定義しました。
読書した作品の紹介だけだから、あらすじだけになるのです。そこには意見・感想がありません。
そうではなくて、
・読んだ作品の紹介や批評
・自分自身の体験と結びつけた感想(意見)
この2つが読書感想文には必要なのです。
この読書感想文指導の特殊性にふれ、向山洋一氏は、
「読書と体験の往復運動」
が指導に必要だと言っています。
まさしく卓見だと思います。
この読書と体験の往復運動の中心となるのは、本の中の心に残った場面をあげ、そして、その場面と似ている自分の体験を比べて考えるということです。 似たようなことが自分にもあった。だからこそ、本の場面・主人公の心の動きと自分とを比べて考えることができます。
さて、その読書感想文講座に参加したサークルメンバーが、読書感想文を書く新たなヒントを教えてくれました。
それは、本と似ている体験ではなくて、本と同じ体験をしてみようという直接的なものです。
これは、どの本についても当てはまることではありませんが、子供に身近な題材だったらできると思います。
今年の高学年の課題図書の「奮闘するたすく」は、夏休みの自由研究のために、祖父が通う介護デイサービスを見学する物語です。
これって、ピタッと当てはまる子がいると思います。
もし、おじいさんやおばあさんが介護のケアセンター等に通ってるお子さんにお勧めです。
実際に見学すれば、読書と体験の往復運動が強烈に起こるはずです。
高学年を担任している先生、そんな子がいたら、ぜひ勧めてください。