相対的貧困とは

貧困の捉え・定義には、「絶対的貧困」と「相対的貧困」の二つがありました。
そして、日本では「絶対的貧困」ではなく「相対的貧困」に視点が移っています。
今日は「相対的貧困」について理解を深めていきましょう。

日本では、7人に1人の子供が貧困状態だと言われています。厚生労働省の発表によると「子供の貧困率」が13.9%なのです。
この数値はどのように算出されたのでしょうか。

実は、この「相対的貧困」は、OECD(経済協力開発機構)によって基準が定められているのです。
それは、

等価可処分所得(世帯の可処分所得を世帯人数の平方根で割って算出)が全人口の中央値の半分未満の世帯員

です。

少しばかりわかりにくいのですが、ざっくり言うと財布の中から一人で使えるお金なのです。
ここで、画像を見ていただきましょう。

この「貧困ライン」を下回ったエリアに属する子供の割合が、13.9%だったのです。

まとめてみると、
「絶対的貧困」は、モノの欠如を問題としている
「相対的貧困」は、ほかの人に比べた「モノの欠如」を問題としている
のです。

ここで、「相対的貧困」は「ぜいたくだ」と言われることが考えられます。

しかし、
例えば、テレビゲームがないということは、大したことではないかもしれません。
しかし、他の子との関係の中で言えば、テレビゲームがないことで自分の気持ちを萎縮させたり、友達から排除されたりするリスクを高めることになるのです。

「相対的貧困」は、日本の「普通」の子どもの生活ができないということです。
朝ご飯を食べ、学校に行き、クラブ活動をし、友だちと遊び、そして、希望すれば高校程度の教育を受ける、そのような生活ができません。 「相対的貧困」の悪影響は、「食べ物がない」「衣服がない」といった「絶対的貧困」とは異なるものです。

言ってみれは、普通の生活にアクセスする「権利」がない状態なのです。

学校、学級にそのような子供がいた場合、私たち教師にもできることが、きっとあるはずです。

相対的貧困とは
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