「Ireland’s Call(アイルランドの叫び)」

ラグビーワールドカップにおいて、日本が、世界第2位のアイルランドを破ったことで、日本国中が沸き立ちました。
ホント、すごいことです。

さて、そのアイルランドにも、「国」に関するドラマがありました。

実は、その試合で歌われたのは、アイルランド国歌ではなく、「Ireland’s Call(アイルランドの叫び)」というものだったのです。

このアイルランドチームは、アイルランド共和国とイギリス領北アイルランドが一体となった統一チームです。

アイルランドは元々、アイルランド島にある1つの国でした。
しかし、カトリックの多い南部とプロテスタントの多い北部で、宗教的・政治的な紛争を繰り返していました。
そして、ついには、南部は、1949年にイギリス連邦から、アイルランド共和国として独立しました。

ところが、北部は、北アイルランドとしてイギリス統治下に残ったものの、南部との戦いやテロはやみませんでした。1998年に和平合意が成立後も、アイルランドと北アイルランドは敵対感情の中にありました。

しかし、そんな宗教的・政治的対立の中でも、ずっと1つであり続けたのが、ラグビー代表チームなのです。
アイルランドラグビー協会は、南北が分裂した後も両地域からメンバーを招集し、「統一アイルランド」として国際大会に出場しています。

ですから、国歌の代わりに、ラグビー代表チーム歌「Ireland’s Call(アイルランドの叫び)」を歌うのです。

その一節。

Ireland, Ireland,
Together standing tall
Shoulder to shoulder
We’ll answer Ireland’s call

アイルランド アイルランド
肩と肩を組んで
アイルランドの人々の声に応えよう