「心の理論」と「赤ずきん」

昨日、「心の理論」について話題にしました。
「心の理論」とは、「相手の表情や行動から、その心について推理する力」のことで、自閉症スペクトラム症の子は、この「心の理論」(心を推理する力)が弱いのです。

例えば、童話の「赤ずきん」。
赤ずきんは、おばあさんの家を訪ねますが、すでにおばあさんはオオカミに食べられています。オオカミは、おばあさんのふりをしてベッドに寝て、赤ずきんを待ち構えています。 赤ずきんはおばあさん(オオカミ)に近寄って話しかけます。
「まあ、おばあさん、とても耳が大きいわ。」

このシーンは、「赤ずきん」の中のシーンです。
どうして子供たちはこのシーンにドキドキしてしまうのか、と言うと、「まだ、赤ずきんは、寝ているのはおばあさんで、オオカミだなんて思ってもいない。」と考えるからです。 赤ずきんの心の状態を推理して、オオカミのことを知らないと考えるのです。

ところが、このシーンで、自閉症スペクトラム症の子は、赤ずきんは「そこにオオカミがいておばあさんのふりをしている」と考えてしまいがちなのです。

そう、繰り返しになりますが、自閉症スペクトラム症の子は、自分の状況と相手の状況が同じだと思ってしまうことが多いのです。
自分が知っているから、相手も知っているはずと思ってしまいます。

ですから、状況を明確に示してあげる、説明してあげることが重要です。
イラストや絵などにするとわかりやすくなると思います。