愛着はどのように形成されていくのか

この子、愛着が不十分だったのじゃないか、という子がいます。
妙に荒れたり、妙に拗ねたり、妙に甘えたりする子です。何かしら、自然な素直さを感じないのです。

でも、愛着ってどのように形成されていくのか、そのことを、先日の子どもの発達科学研究所主催の講座で、大須賀優子氏から学びました。

最初、赤ちゃんは微笑んだり泣いたり笑ったりの行動で、母親に向けて信号を発信します。
これに母親が反応すると、自分が行動すると相手が反応するということを学んで、さらにその行動を増やしていきます。
このような「働きかけると良いことが起こる」 体験が、母親という自分でない人を信頼することにつながり、それが安定した対人関係の基礎となリます。 この時には、我慢させることなんかありません。
「働きかけると良いことが起こる」ことを、たっぷり味あわせることが必要なのです。

次に、赤ちゃんは母親に近づいたりしがみついたりの行動をします。安全・安心な母親と一体でいたいという現れです。この時期は、人見知りの時期でもあります。母親べったりです。
ですが、母親が安全・安心ということが十分体験できると、少しずつ離れて試してみることが始まります。辛かったら、すぐ戻ってきて母親になだめてもらうという体験をするのです。 少し離れたり、つらたったりしても、母親になだめてもらえることがわかると、だんだん大丈夫なことが分かってきて、自分で自分をなだめることができるようになリます。

このように、愛着は心を安定させる基盤であり、対人関係の基盤です。
十分な愛着体験があることで、辛い時でも自分の感情をコントロールすることができるようになるのです。