発問と作業指示とは2つで1セット

授業で発問をして、そのまんまという先生がいます。
例えば、

「筆者の考えが書かれているのは、何段落だろうか?」

と発問して、それっきりなのです。

これでは、子供はいったい何もしたらよいかわかりません。どう答えたら良いか分からないのです。

・ハイと手を挙げてよいのか
・「2段落」と口にしてよいのか
・ノートに答えを書くか
・・・

一瞬、子供の心の中に疑念が生じます。
そして、子供達がいくつかのグループに分かれる反応を示します。

・手を挙げる子
・ぼんやりと考える子
・何も考えない子
・・・

です。

こういった発問では、先生が発問に対する「暗黙の反応」を期待していることが多いのですが、「暗黙の反応」など優等生の子でなくてはわかりません。 察しのよい優等生の子が、「はい」と手を挙げて答えることになるわけです。

こうやって、察しのよい優等生の子だけが授業に参加し、ゆっくり考える子は授業に参加できないようになるわけです。
一部しか参加できないのです。

発問した後で、「〜〜しなさい」と答え方を指示することを、「作業指示」と言います。
発問と作業指示とは、2つで1セットとして考えます。

「筆者の考えが書かれているのは、何段落だろうか?」
これに続けて、
「ノートに何段落と書きなさい。」
「隣の人と相談しなさい。」
・・・
となるのです。

これなら、やることがはっきりしています。
やることがはっきりしていれば、授業に参加することができます。