「吃音の環境整備(学校と保護者の共通理解)」

昨日に続いて、菊池良和氏からいただいた、吃音の子への教師用資料について解説していきます。
今日は、「環境整備(学校と保護者の共通理解)」です。

以下のことは、学校と保護者ともに理解し、実行していくことです。

1 吃音のからかい ・いじめをやめさせます(真似、指摘、笑い)
少しの真似や笑いでも、吃音のある児童は、当然ながら嫌な気持ちになります。
保護者からの訴えがあった場合は、教師はすぐに対応すべきです。教師が注意すれば、このからかいやいじめは止まります。

2 話し方のアドバイスはしません(ゆっくり、落ち着いて、深呼吸して等)
これは、教師側が陥りやすいことです。
ゆっくり話しても、落ち着いて話しても、深呼吸して話しても、吃音は起こるときは起こるのです。
意味がないことを理解します。

3 話すのに時間がかかっても待ちます(話したい意欲を育てるため)
吃音の子もおしゃべりしたい、自分の発声で自己表現したいのです。
ですから、時間がかかっても、そんな時間がかかっている素振りも見せずに待ちます。

4 吃音のことをオープンに話します。「どう支援しようか?」と疑問に思ったら、直接尋ねます。「吃音は触れない・意識させない」という情報は解決につながりません。 これは、疑問がわいたら、吃音の子に聞くことにするのです。
学校ではいろいろ話す場面があります。
朝返事をする場面、順番に音読する場面・・・、それを時間がかかってもやるか、やらないかを吃音の子自身に判断させるのです。

5 必要があれば、ことばの教室の教諭、または言語聴覚士会に相談します。
専門家につなげることも必要です。

私にとっては、「4吃音のことをオープンに話します」が示唆的でした。
「どうしてほしいのか」を聞くことで、教師側の指導に活かすだけでなく、子供自身がどうなりたいのかを考えることにつながると考えたからです。