信頼できる他者(大人)になりうるのが教師

昨日、「自己肯定感」を育むためには、まず、「承認してもらう」体験の蓄積が必要だと言及しました。
そして、その「承認してもらう」体験は、信頼できる他者なしには起こりません。
その信頼できる他者の代表者というか、初めて出合う存在は、親なのです。

ところが、その重要な役割をもつ親から、十分な承認が得られない子供もいます。

例えば、何か条件づけて承認する親です。
勉強ができたら承認するけど、勉強ができないと子供を認めず責めるなどする親がそうです。

例えば、いろいろなことを強制して、子供に判断させない親です。
習い事や進学、ひどい場合は友達の選別まで行う親がそうです。

もちろん、子供を頭ごなしに叱りつける親、そして、虐待する親もそうです。

このような親に育てられた子供は、愛着形成が十全に行われず、十分な承認を得られないのです。… 続きを読む

「自己肯定感」を育むために何が必要か

このところ「自己肯定感」について、取り上げています。

さて、そもそも、「自己肯定感」を育むために何をしたらよいのでしょうか。何が必要なのでしょうか。

私は、「承認してもらう」体験の蓄積だと考えています。
ここでの「承認」とは、昨日、一昨日と触れてきた「評価」と関連なく、その子の存在自体を認めることです。

そして、「承認してもらう」体験は、自分を承認してくれる他者なしには起こりません。
すなわち、自己肯定感を育むためには、自分を承認する信頼できる他者が必要なのです。
きっと、子供はその他者のことを信頼していくはずです。

信頼できる他者から、評価抜きで肯定してもらうことで、心の中に自己肯定感が育まれていきます。
それが自己肯定感の「芯」「核」になるわけです。

そして、この自分を承認する他者の代表者というか、初めて出合う存在は、親なのです。… 続きを読む

自己評価と自己肯定感の関係

「自己肯定感」をもつためには、他者評価に頼っていてはいけないという考えを、昨日示しました。
他者の言う事に自分の心が左右されてしまったら、それは「依存」や「隷属」といった状態なのです。
それでは、そもそもの「自分」がなくなります。

では、他者の評価ではなく、自分の評価、すなわち自己評価は「自己肯定感」と関係するのでしょうか。

自己評価が高い人は、例えば、自分の仕事ぶりや成し遂げたこと、運動能力や成績、容姿などについて、プライドをもっていると思います。

ただ、この自己評価は、いつも高いとは限りません。自分でコントロールできないこともあるからです。
運動能力は衰えることもありますし、仕事がうまくいかないこともあります。
容姿も年齢とともに落ちていきます。

このように、自己評価を自己肯定感の支えにすることは、移ろいやすい基盤に頼ることになるのです。

他者でも、自分でも、とにかく「評価」に頼っている状態では、心は不安定です。… 続きを読む