名前にまつわることで、よく覚えていることがあります。
ずいぶん前になりますが、私が通っていた高校の数学の先生で、小池先生という男の先生がいました。
その小池先生が結婚し、女の子が授かりました。
「先生、おめでとう。女の子が生まれたんだって!」
「名前は何にしたの?」
私たち生徒は、質問ぜめにします。
しかし、小池先生はわらってばかりで答えません。その笑いも、思いだしたように笑うものですから、どうも変です。
その小池先生、普段からキャラが変わっていて、また何かやったのかもしれないな、とは思ったのですが、よくわかりません。
私たち先生は、しつこく、やいのやいのと攻めたてます。
ついに、小池先生が、笑いながら何も言わずに黒板に名前を書いたのでした。
「小池恵子」
教室は一瞬シーンとしましたが、次の瞬間、大爆笑!
それにしても、あまり名前で遊んではいけません。
上から読んでも、下から読んでも、
「こいけけいこ」
です。
それにしても、この恵子さん、自分の名前を気に入ったのでしょうか。