全国学力テストを実施した後、そのデータをどう活用するか。
おそらく、全国学力テストのデータは、短絡的に次のような見方をされがちなのだと思います。
この学校の子は全国学力テストの点数が高い。これは、この学校の教師が優秀で、教え方が上手だからである。
逆に、
この学校の子は全国学力テストの点数が低い。これは、この学校の教師が劣っていて、教え方が下手だからである。
こんな見方を、石川県の教育に関わる上層部?は、かなりのアクセントでもっていて、それが、現場の教師に、「うちの学校の全国学力テストの点数が低いと、もしかしたら調査されたり、指導や介入を受けるかもしれない」という思いを抱かせているのではないかと思うのです。
でも、そもそも、どの学校にも、同じ学力レベルの子が集まっているのでしょうか。
様々な地域の学校に転勤した経験がある教師なら、そんなことはないと即答できると思います。
地域によって、そもそもの学力差は厳然としてあるのです。
私が在勤していた横浜市では、独自の学力テストを行っていました。
私の勤務した1校目の学校の子たちは、その横浜市の学力テストの点数は、横浜市の平均より10点ほど低いものでした。
転勤して2校目は、横浜市の平均くらいでした。
3校目は、横浜市の平均より5点くらい低かったのです。
この1校目から3校目は、それほど経済的に豊かな地域ではありませんでした。まあ、下町といってよい地域です。
ところが、4校目の学校は、マンションが急増している地域でした。経済的にも豊かで、学歴の高い保護者が多かったのでした。
すると、横浜市の学力テストの点数は、横浜市の平均より15点も上だったのです。
身も蓋もない言い方をすれば、教師の教え方が上手だろうが下手だろうが、おそらく学力テストの点数は、メッチャ高いのでした。
もうおわかりのように、元々の学力レベルを勘案しないで、その学校の教師を優秀だ、劣っているなどと評価するのは、意味がないのです。