「PISA」とは

12/5に、国立教育政策研究所が、経済協力開発機構(OECD)の学習到達度調査「PISA2022」を発表しました。
報道では、日本が前回の2018年より平均得点が上昇しているとして、結果を「歓迎」するようなムードになっていると思います。

でも、そもそも、この「PISA」とはどのようなものなのでしょうか。
少しばかり、復習してみましょう。

「PISA」とは、略語で、元々は「Programme for International Student Assessment」で、対象は15歳の生徒、義務教育を終了した段階の子です。

ここで、「義務教育を終了した段階の子」というのが重要で、それぞれの国において、どの子にも身につけておきたいと想定されている学力がどの程度なのかを、測定することを目的としているのだと思います。

もちろん、それぞれの国の特定のカリキュラムがどの程度できているかということを測定するわけではありません。
毎年行っている、文科省の「学習状況調査」とは違うのです。
だって、それぞれの国によってカリキュラムが異なるので、それぞれの国で実施されている学力テストの結果を比較しても意味がありません。

ですから、この「PISA」では、15歳の子が身につけた知識や技能そのものを測定するわけではないのです。
そうではなくて、その知識や技能が、生活において直面する課題に対して、どの程度活用できるかどうかを測定するのです。

言ってみれば、読解や思考、問題解決能力を測定するのですね。

今回、日本の各分野の順位が上昇したと歓迎されているのですが、そんな相対的な順位が上がっても(下がっても)あまり意味がありません。 それなのに、順位が3位だとか、上がったとか、ニュースでは、そのことばかり取り上げているのです。

そうではなくて、到達度がどう変容したのかが重要です。

ぜひ、その点を今回のPISA2022の結果から読み取ってほしいです。