注文した品がなかなか出てこない時、怒りの矛先はどこ

私(たち)は、その場の不愉快な状況に飲み込まれて、本来、ぶつけるべきでない相手に自分の不平・不満・いらいらをぶつけてしまうことがあります。
なぜ、こんなことを言い出したかというと、岩尾俊兵氏の著書「世界は経営でできている 」に、こんな絶妙な比喩が載っていたからです。
「ひとつは「飲食店で注文した品がなかなか出てこずにイライラする」場面だ。こんなありふれた日常にも経営が潜む。 しびれを切らし、ウェイターに「あの、・・を注文したはずですけど」とたずねる。 だが、「いま作ってますから」と素っ気ない返事しかもらえない。 それから三十分以上経ってようやく・・と対面できた頃には、こちらも「つまみとして頼んだのに、もうお酒も飲み終わったし、いらないですよ」と嫌味になる。 ウェイターはむっとして、がちゃん、と、お皿をテーブルに 叩きつけていく。 こちらからすれば「こんなに待たされた上に態度も悪いなんて許せない」と顔を真っ赤にする。」
こんな場面というか、いらっとする状況って、経験したことがあると思います。
ですが、待たされたいらだちをウェイターにぶちまけることは、相手を間違えています。 不満を訴えるべきは、ウェイターではなく、厨房のスタッフです。 ウェイターに責任はありません。
厨房のスタッフの技量か、人員不足か、仕組みに不備があることによって、料理をすばやく作ることができないのですから、その点において、厨房のスタッフに不満をぶつけるべきなのです。
このような不合理な怒りの方向性は、日本において、けっこうありますね。
電車が止まったからといって、駅で説明している駅員に罵声を浴びせるなんてことです。 本来責任がない人に不満をぶちまけるわけです。
ですが、冷静に、何が不都合な状況を生み出しているのか、責任をもつのは誰なのか等を考えていけば、無用な怒りをおさめ、不必要なトラブルを防ぐことができると思うのです。
学校での場面でも、きっとありますよ。