急告 頼りになる先生を求む

おはようございます、渡辺喜男です。

土曜日、クラスのことで悩む先生の相談に乗っていました。
たくさんお話を聞き、少しだけアドバイスをしました。
しだいに、相談前とは顔つきが朗らかになっていくので、ほっとしました。

しかし、終わり際、その先生はこんなことを言ったのです。
「でも、あの子たち、私についてきてくれるでしょうか」
私は、ついつい強い口調で返しました。
「何いってるんですか。あの子たちが教室で頼りにできるのは、担任であるあなたしかいないんです。しっかりしてください。」

子どもは、子どもにはできないことを先生に求めています。

子どもにはできないことの一つが、トラブルの解決です。
子ども同士のけんかの仲裁が子どもにできますか。
授業中に騒ぐ子への対処は子どもにできますか。
掃除をさぼる子への対処は子どもにできますか。
できません。かえってトラブルが増大するだけです。

また、時に子どもにはピンチが押し寄せます。
一人ぼっちになったときの対処は子どもにできますか。
忘れ物をしたときの対処は子どもにできますか。
自分が苦手な食べ物が給食に出たときの対処は子どもにできますか。
できません。
気の弱い子は泣くことしかできないでしょう。… 続きを読む

がんばったことが目に見える

おはようございます、渡辺喜男です。
 

私の部屋が汚れています。(のっけからこんなこと書いてごめんなさい)
このところ、父母の介護もあって、昼間、家におらず、帰ってくるのは、夜。ぐったりして掃除どころではありませんでした。
また、夜は暗くて、ほこりもゴミもみえにくくなっています。おまけに、私の視力は自慢じゃないけど、よくありません。
ということで、ほこりがあっても、ゴミがあっても、しばらくあまり気にもせず暮らしていました。

ところが、一昨日、お日様サンサンの下で、私の部屋を久しぶりに見ると「これは汚い」ということになり、あわてて掃除機をかけることになりました。
ところが、その掃除機がぼろい。でかいのに、吸い込みが悪いのです。(おそらくフィルターを変えなくてはいけないのでしょうが、古い機種なので、あうフィルターがないときています) ガーガー音を立てて掃除をするのに、全くきれいにならないのです。

ということで、新しい掃除機に買いかえました。
いやあ、今どきの掃除機は、パワーがあります。ぐんぐん吸い込むこと、気持ちいい。おまけに、軽いときている。
久しぶりに掃除をしまくった私が驚いたのは、その掃除機の、ほこりやゴミがたまるところが透明になっていることでした。たまったほこりやゴミが「目に見える」のです。 「へえ、こんなに汚れていたんだ。ということは、これだけ家がきれいになったということだ。すごい!」
なんだか感動して、ゴミをたくさん集めようと、ゲームのように掃除機をかけまくった私でした。

教室でも、このようなことがあります。
自分の努力したことが記録されて目に見えるようになることで、「オレはすごい」と思い、「もっとがんばろう」という気にさせられます。

例えば、国語の教科書のタイトルのところに○を10個書いて、1回読んだら、一つ赤く塗るという向山洋一先生の実践があります。
これも、先に述べた「がんばったことが目に見える」仕組みの一つですね。子どもたちは、一つ、また一つと○を赤く塗ることで、「がんばったこと」を実感し、「もっとたくさん読んで、赤い○をもっと集めよう」と意欲を燃やすのです。 ほとんどの子が10個以上の赤い○を集め、すらすら読めるようになるのは、こんな仕組みがあるのです。

まだまだ、他にも「がんばったことが目に見える」仕組みはあります。もしかしたら、そういう仕組みをたくさんもっている先生のクラスの子が、自然に努力する子に育つのかもしれません。

(じゃあ、私は、これから部屋を掃除します。)… 続きを読む

想定外に立ち向かう 「シン ゴジラ」

おはようございます、渡辺喜男です。

先日、テレビの地上波で「シン ゴジラ」を放映していました。ご覧になった方もたくさんいると思いますので、昨年のロードショー時に書いた感想を掲載します。ただし、「ネタバレ」でもありますので、ご注意ください。

「シン ゴジラ」を見てきました。
私達が「想定外」の事態に向き合う時、どんな心の持ち方をすればよいのか、この映画は様々な示唆を与えてくれます。

「シン ゴジラ」とは何ものなのでしょうか。

この映画のゴジラは、これまでのゴジラ映画で示されてきたゴジラの誕生ストーリーを、意図的に無視して、設定されています。
原爆・水爆による放射能汚染の恐怖の代名詞のゴジラでも、地球生命を守る愛すべきゴジラでもありません。
ただただ、まちを破壊する「凶暴」なものとして描かれています。そして、それは、私達にとって「想定外」なものです。
もちろん、この「想定外」な「凶暴」なものは、「東日本大震災」+「原発事故」を類推させます。
「シン ゴジラ」=想定外」な「凶暴」なもの=新たな「東日本大震災」+「原発事故」
と考えてもよいと思います。

私達は、東日本大震災という想定外の事態に遭遇しました。揺れではなく津波による甚大な被害、そして、それによって引き起こされた原発の事故は、目を覆うような惨事でした。具体的な被害のなかった私でさえ、今も、校庭に子ども達を集めたときに見上げた空の沈痛な暗さ、そして、停電で信号さえも失った真っ暗な道路を、恐怖の感情とともに思い出します。 あのような出来事が、たった5年前の2011年に発生したとは信じられません。
あの「凶暴な」「想定外」な事態に、日本国は向かい合いました。当時の日本国政府の責任者は、内閣総理大臣菅直人氏でした。
振り返って、あの対処、対応でよかったのか。よくなかったとすれば、どこを直せばよかったのか。
そんな検証を促してくれる映画なのです。… 続きを読む