声がそろうクラスはいいクラス

国語の教材文を、クラス全員で読ませることはよくあることです。
「みんなで読みます。さん、はいっ」
という先生の指示に続けて、読み始めるわけです。

ところが、学年が上がり、学級編成替えをしたばかりの頃は、なかなか声がそろいません。
速く読んでしまう子、逆に、ゆっくりと読む子、やたら声が大きく張り上げるように読む子・・・
聞いている先生には、「そろっていない」ことがすぐわかります。
そんなとき、そのまま流すのではなく、
「もう一度、そろえて。さん、はいっ」
と読み直しをさせるのです。
すると、だんだん声がそろってきます。

これは、国語の教材文を読ませる様子ですが、算数の問題文も同じです。
高学年だからといって、算数の問題文を黙読させると全く読まない子が出てしまいます。油断禁物です。
ですから、算数の問題文もきちんとみんなで読ませることにしていました。

声をそろえる、ということは、相手の声を聞くことができなければ成立しません。
相手の声を聞きながら、それに合わせて自分の声を出す。そうすることによって「声がそろう」のです。
不思議なことに、始めのうち、あまり仲のよくなかったクラスでも、声をそろえていくうちに、だんだん仲がよくなっていくような気がします。
自分の主張だけでなく、相手の主張に少しずつ少しずつ耳を傾けていくようになるのです。

「おっ、声がそろっている。いいクラスだねえ。」という誉め言葉は、核心をついています。