嘘シリーズ?の続きです。
横浜だけでなく、全国の各地で長なわとびの連続跳びを行っていますね。
例えば、 長なわとびの8の字跳び3分間で、クラス全員で何回跳べるか挑戦するのです。
横浜の学校では、冬になると、クラス対抗で行うことが多かったです。なわ跳び大会を目指して、休み時間になるとクラスみんなで集まって、長なわとびの練習をしていました。
クラスには、長なわとびが上手な子・苦手な子いろいろいます。それぞれが、支え合く、声を掛け合って、だんだん上手になり、回数が増えていくのです。
そのための練習です。体育と言うより学級づくりが目的なんですね。
さて、練習を始めてすぐは、ぐんぐん上手になって跳べる回数が増えていきます。
子どもたちも嬉しくて、やる気がどんどん膨らんでいきます。
しかし、ある回数になると、なかなかその回数を超えることができなくなってきます。「プラトー」というか「中だるみ」というか、みんなが揃って調子よく跳ぶことができなくなるのです。
毎日、休み時間に練習して、その度に回数を測っても、それまでの最高回数を超えることができなくなるのです。
子供たちの中に、落胆の気持ちが生まれてきます。練習しても意味ないんじゃないか、という後ろ向きな気持ちも生まれてきます 。
これでは、学級づくりに良かれと思って取り組んだことが、かえって悪い結果を招いてしまいかねません。
そんな時、少しだけ嘘をついて、盛り上げるのです。
これまでの最高、 3分間で212回。
「今日はなんか調子いいぞ。みんな心合わせて跳べているぞ」
などと声をかけて、回数を図ります。
私の手には、ストップウォッチがあります。
「よーい、スタート」
子ども達が跳び始めます。
子どもたちは調子良く跳んでいます。けれども、時々引っかかったりします。
ですから、このままでいくと、また新記録を出すことはできないでしょう。
私は、ストップウォッチをちらっと見えます。
今、 2分30秒。回数は150回。
ストップウォッチがどんどん進みます。
回数は、 180 181 182 183…です。
ストップウォッチが、ちょうど3分になりました。回数は203回です。
私はそのまま、長なわとびを続けさせます。
「あと、残り15秒」
208 209 210 211 212 213
「やったー」
子どもたちが、新記録に沸き立ちます。
214 215 216
「やめー」
このクラスの子達は、この新記録に、また、やる気になります。
そうすれば、それからも練習を続けることができ、きっちりした時間でも、自分達の記録を更新するようになるのです。
少しの嘘?が、成果につながることもあります。