子どもにいろいろな体験をさせたいと考え、さまざまな手だてをとっている教師がいます。
私は、夏休みの宿題の例として、旅行記をあげていました。
「旅行記は文章だけではいけません。」と話しました。
「旅で出合ったモノは何でもとっておくのです。切符、チラシ、入場券、はしの袋、葉っぱ・・・みんなとっておきなさい。」
旅に出た子は、どの子もすてきな旅行記を書いてきました。
生き物係で、花を育てたり、金魚を飼ったり、ザリガニを飼ったりする教師もいます。
私は、教室でハムスターを飼ったことがあります。
このような体験は、子どもにとって、すばらしい学習となります。
世話をずっと続けて、きれいな花が咲く。
世話を忘れて、植物を枯らす。
メダカに餌をやると、パクパクと食べる。
メダカに餌をやりすぎて、死なす。
どれも、貴重な体験です。
子ども達は、体験の層を積み重ねているのです。
向山洋一先生はこのように言っています。
「子どもたちの体験は、多い方がいいのです。
多方面、多種類の体験をしてほしいと、良質の体験をしてほしいと思います。
さまざまな体験は、子どもたちの「生きる力」「考える力」「知識」を与え、育てていきます。」
「家庭教育ツーウェイ 2004.7月」 向山洋一
学校では、体験の層を積み重ねる学習も行っています。
そう、生活科・理科・社会ですね。
朝顔を育てたり、どんぐりを拾ったり、うさぎに触ったりします。
オタマジャクシをつかまえたり、スーパーマーケットで買い物したりします。
こんな体験の層を積み重ねる学習は、カリキュラムとして、計画的に配置されています。
しかし、雪が降るなどの突発的な事態も、上手に子どもに体験させるのが、よい教師なのだと考えています。