「ゲーム障害」が新たな疾病として分類されます

2018/06/18、WHO(世界保健機関)は、新しい国際疾病分類を発表しました。
そこで注目すべきは、「ゲーム障害」を新たな疾病(精神及び行動の障害)として分類したことです。
どういうことかというと、これまで曖昧だった「ゲーム障害」を、正式に病気として認定して、予防や治療にも取り組むことにしたのです。

ちなみに、
ゲーム障害は「Gaming disorder」の日本語訳で、似たような障害として「ギャンブル障害」がすでに病気として認定されています。

もう少し詳しくみていきましょう。
国際疾病分類では、「ゲーム障害」を下記のような症状としています。

1 ゲームをすることへの抑止力の欠如(開始、頻度、熱中度、継続時間、終了、環境、など)
2 ゲームの優先度が、他の生活上の興味や日々の活動を上回る。
3 悪影響が見られるにもかかわらずゲームへの没頭が継続あるいは激化する。

イメージがなかなか捉えにくいと思います。
では、ここの「ゲーム」を「ギャンブル」に置き換えて「ギャンブル障害」から類推すると、イメージしやすくなると思います。

1 ギャンブルをすることへの抑止力の欠如(開始、頻度、熱中度、継続時間、終了、環境、など)
2 ギャンブルの優先度が、他の生活上の興味や日々の活動を上回る。
3 悪影響が見られるにもかかわらずギャンブルへの没頭が継続あるいは激化する。

パチンコ・スロット、競馬・競輪・競艇・オートレースにのめり込み、「だめだ、やめたい」「つらい」と思いつつもやめられない。 仕事よりもギャンブル優先になり、財産を使い果たし、家族を失い、精神的にも肉体的にも病んで生活が崩壊していくにもかかわらず、まだギャンブルを続けてやめられない。 これがギャンブル障害ですが、実は「ゲーム障害」も「ギャンブル障害」と症状は同じなのです。

「あんどぅさんの日常を固定カメラで撮影してみると、まだ日も高い午後1時にゲームを始め、ゲーム中は両手以外、微動だにしません。初めて手を止めたのは、1回戦が終了したとき。そしてまた2回戦が始まります。このゲームに終わりはないのです。 ゲームを終えたときには午前4時になっていました。その間、席を立ったのは食事1回、トイレ2回の合計3回のみ。」
「極力何かをしたくないのがあって。トイレ行くのもだるいし、極度に疲れやすくなった。お風呂も3日に1度しか入らなくて、ずっとべたべたで。」 NHKハートネット 知られざる「ゲーム障害」の実態 https://www.nhk.or.jp/heart-net/article/55/

ゲームしかやっていません。昼夜逆転というよりか、時間の概念がない生活です。
おまけに、ゲーム障害の人は「課金」により、経済的にも追い詰められているのです。
楽しくやっているかというとそうではありません。つらくてたまらないけれど、やめられないのです。

まだまだ、普通の人はただのゲーム愛好者で、ゲーム障害をかかえている人はほんのわずかです。
しかし、ゲームを毎日何時間もやっていると、日常の活動がゲームによって浸食され、身体的、精神的、社会活動の面で何らかの悪影響が起こる可能性が高くなります。 ですから、そうならないためにも、子供たちにとって身近な「ゲーム障害」を教室の話題にしたり、授業として扱ったりして、ぜひ取り上げてほしいと思います。